今日は定番商品のサイズオーダーリングの制作工程をご紹介したいと思います。実は地味に結構手間暇かかっているのです。
①まず、真鍮の線を必要な長さに切ります。切った切り口をヤスリで少し整えガスバーナーで焼きなまします。赤くなるまで火で炙ると、真鍮が柔らかくなるのです。
そのままの真鍮線って凄く硬くて意外と曲がらないんです。時間短縮のために、水に入れて冷やします。この時の、ジュッ!!て音が私は凄く好きです。何だかパソコンのエンターキーを押す感覚に似ています。(*^▽^*)
ちなみにこの小さいカップはオシャレなケーキ屋さんでプリンを買った時のカップ。可愛いし何かに使いたいなと思ってとっておいたのですが、こんなところで活躍中です(笑)
②線を丸めてリングの腕の部分を作る。
芯金棒と言う道具に真鍮線を巻き付け木槌で叩いて形を作ります。
作りたいサイズの大きさに丸めたら、再び切り口を平行にやすっていきます。この時、使う石座によってヤスる角度を変えたりします。地味に難しいので失敗することもしばしば・・・
③ロウ材で溶接する(ロウ付け)
石座を真っ直ぐになるようにセッティングし、ピタッとつくようにする。これも調節がまた難しく、一度ドツボにはまると延々と調節し続けてイライラする事が(笑)
フラックスと言う金属同士をくっつけやすくする薬品を塗り、バーナーで炙ります。初めは粉砂糖のように白くパサパサになるのですが、さらに炙ると蜂蜜の様な、飴の様な状態になります。
1人だと写真が撮れなかったので上手く説明できなくて申し訳ないのですが(^_^;)
その飴のような状態になったら、くっつけたい部分にロウを置いてさらに炙ります。このロウも4種類くらいあって、溶ける温度がそれぞれ違うので場所によって使い分けます。
④形が出来たら希硫酸の中に入れて膜を取ります。
表面が汚いので酸に漬けて綺麗にします。大体20~30分くらいです。ちなみにこれもゼリーか何かが入っていたガラス瓶(笑)
その後、重曹でゴシゴシ磨きます。そうするとちょっとだけ光ります✨
⑤バレルに入れて大まかに磨きをして表面に艶を出します。
この透明の洗剤の様なものを10滴程入れてピンと一緒にモーターで60分程回していきます。
このピン実は高いのでなくさないように気を付けないとなのです💦小さいので洗ったりしているとだんだん少なくなってきたり…(笑)
スイッチを入れると上のケースに入った水とピンが回ってその摩擦でリングが磨かれていきます。
⑥細かい目のポイントでさらに磨いていきます。
リューターと言うポイントを回転させる機械を使って鉛筆を持つように手作業で磨いていきます。
大量生産の商品はバレルで仕上げておしまいという事が多いですが、メッキのノリを良くするためにも私は磨いています。
先端のポイントを3回替え、目の荒い順に磨いていきます。
簡単に言うと、紙やすりの番手を3回替えて表面をピカピカにしていく感じです。
⑦布バフに研磨剤をつけて高速回転で磨いてさらに艶を出していきます。
ここまでくるともうピカピカです✨ 手は真っ黒ですが(笑)
⑧石を留めてメッキに出します。
銅線に巻き付けてメッキ液に浸して電流を流し金をコーティングしてもらいます。ここは自分ではできないので信頼できる業者さんにお願いしています。
爪で石を留められるものはメッキ前に留めて、接着の物はメッキをのせた後に宝石用の接着剤でとめていきます。
こんな感じで1つ作るのに大体120分くらいかかります。まぁ、バレルを回したり酸洗いの時間もあるので手がかかっている時間はもう少し短いのですが(>_<)
磨く作業が実は一番面倒くさいので苦手です。ちょっと気を抜いて雑にやると光らなかったりするし、磨いている間粉塵が舞って吸い込んでしまいそうだし、と言うか吸い込んでるし。(+_+)
でも、ピカピカのリングをお届けしたいので頑張ります!!手に取ってくれた人が、ちょっとでもこの光り方に気付いてくれたら嬉しいな。