2016年から始めてきたサイズオーダーリング。当店では1~29号まで0.5号刻みでお作り出来る幅広いサイズを制作しています。
2017年からはgrainと名前を分けて制作をしているのですが、ネットでも店頭でも一番人気はやはり天然石の付いた一粒リングです。
今日は、そんな一粒リングのサイズに関しての困った問題についてお話します。
リングサイズの測り方は?
指輪が欲しい、でも自分のサイズが分からない。そうだ、ググって見よう!!・・・という方、多いと思います。
検索すると多く出てくるメジャーや紙、タコ紐、糸などを使ったサイズの計算の仕方。
これ、お勧めしません!(あくまで私個人の意見ですが)
このやり方が間違いと言う訳ではなく、紙の上だけの計算のお話なら合っているのです。
紐を指で巻いてその長さから円周を計算し、リングサイズの直径と合うものと照らし合わせる・・・
リングサイズと同じ直径に切り抜いた厚紙を作り、そこに指を通してみる、などなど。
このようなやり方で実際にきちんと測れる方も中にはいると思います。
ですが、この方法で計算されて当店で注文された方はほぼ100%大きすぎるサイズを注文してしまい作り直しをお願いされています。
(※作り直しは商品を返送してもらい送料+2000円となさせていただいていましたが2021年よりこの業務を終了しました。
間違えたサイズを購入してしまった方は残念ですが再度新品をお買い求め下さい。)
多分厚紙の方法より糸の方が簡単にできるので試す方が多いのだと思いますが。
なぜ正確に測れないのか?よく考えてみれば簡単な事なのですが、大前提に素材が違います。
リングという硬くて変形をしないものと、糸の様に柔らかく自由に形状が変わってしまう物が同じに出来るはずがありません。(^_^;)
そもそも、太さ1㎜の紐なのか、2㎜の紐なのかで内径は大きく変わってきます。
そして私もそうなのですが、不器用な人はまず正確に測れません。
指には関節もあります。関節は人によってはリングを付ける部分よりも太いので、関節に合わせると緩くなったり、また指の根本部分に合わせると小さすぎて入らなかったりします。
着け心地の事も考えると、全く違う素材で違う形状のものでサイズを測る事は間違いのもとになるのでお勧めできません。
1号のサイズは内径約0.3㎜の差です。つまり1㎜間違ってしまえば3号も大きなサイズを頼んでしまう事になります。大惨事!!!
男性の皆様、サプライズをしたいからと言って寝ている間にこっそりこの方法で測ってプレゼントすると、確実に失敗しますよ!!!
じゃあ、どうやって測ればいい?
答えはズバリ、リングゲージを使って測る事です。
リングゲージとはこのような道具です。↓
百貨店のような大きなジュエリーショップに行けば、嫌な顔をせずに喜んでサイズを測ってもらえると思います。
この時に、色々商品を試着させてもらうのもお勧めです。
例えば線径が1㎜程度の華奢なリングと、クロムハーツの様なボリュームのあるリングでは同じサイズでも着け心地が全く違います。
同じサイズなのに入らない!!なんてことも良くあります。それは、皮膚につく地金部分の接地面積が違うから。
指(皮膚)に接地する部分が多ければ多いほど摩擦が多くなるのできつく感じるのです。
なので、同じサイズでもゴツイ物だときつく、華奢なリングだとスルっと入る事があります。
細かい事を言うと、リングの断面が甲丸なのか平打ちなのかによっても長時間付けた感覚が違います!(このお話はまた次回…)
なので、リングゲージでサイズを測ってもらった後も、自分の欲しいデザインに近い商品を試着させてもらい着け心地を確認する事が大切です。
また、季節や時間によってむくみなどもあるので何回かタイミングを変えて測るとなお良いです。
数本重ね付けをする場合は1号程度大きい物が良かったりも。
店員さんは接客のプロなので、着けたい指やむくみなど色々と相談してみると良いアドバイスがもらえると思います。
店頭で測ってもらうのはちょっと…という方はネットなどで安いものだと500円程度で販売されている物もあるので一つ持っていると便利かもしれません。
その場合もプラスチック素材の物と合金の物ではやはりほんの少しですが違いはあると思います。
(あまり安い外国産の物はそもそもサイズが結構ぶれて違った物がある場合もありますので粗悪品は避けましょう。)
リングゲージは平打ちタイプと甲丸タイプの主に2種類あるのですが、その際当店では甲丸タイプをお勧めしています。
このリングゲージも幅によってきつさが少し変わるのでこの辺を考慮しながらサイズを決めると良いと思います。
話は少し変わりますが、
サイズ棒ってどんなもの?
とたまに聞かれます。
サイズ棒とはリングを数値の書いてある棒状の物に(そのまんま)指輪を通しサイズを測る道具です。
リングゲージは指のサイズを測る物ですが、こちらは逆でリングのサイズを測る物です。
そしてたまにジュエリー上級者の方はこの棒やリングゲージを持っていたりします。
そこでひとつ気を付けてほしい事が。
サイズ棒で見るのと実物のサイズが違ったりします!!!(見方にもよるのですが)
これはリングを作る時に使う芯金棒という道具と、サイズを測る為のサイズ棒の形状が違う事と、そもそも製造される過程でロットぶれと言う物がある為です。
芯金棒という、制作用の道具は下の写真になります。↓これに焼きなました真鍮線を巻いてリングの形を作っていきます。
写真で分かるように、サイズ棒はサイズを表記する部分がカットされていて断面が円ではなく扇の様になっています。
この差でほんの少しサイズがずれる事があるようにも思います。
それぞれの道具は、値段も重さも4~5倍違います。この銀色の芯金棒、めっちゃ高い。。ただの棒のくせに…(←ただの棒ではないけど。笑)
素材も違うし、どのくらい力を加えてギュッと下まで押し込むのかによっても表記のサイズは変わります。
grainの商品は0.5号刻みでお作り出来るので、この小さな差がサイズ棒で読み取りにくいのだと思います。(例えば8.5号で作った物を図ると8号なのか9号なのか迷う、というような。)
この黒い方のサイズ棒も、ご自身の指にも、あまりぐっと力を入れて着脱すると変形や傷の原因になってしまうのでお気を付けください。
一番の難点は、サイズ棒のロットぶれによるサイズ表記の違いでしょう。
大手のメーカーや有名ブランドですと自社でサイズ棒と芯金棒を一つずつ検品して統一していますが、一般的に売られている道具はこの芯金棒自体にもかなりロットブレがあります。
例えば全国に数十店舗お店がある様なブランドだと、製造工場と店舗の分でまとめて数百本のサイズ棒を検品して、ブランドで作ったリングとすべて同じサイズで統一できる物だけを選別したりしているそうです。
もっと大きなハイブランド(1本30万~数千万円などのかなり高価な物)だと、サイズ棒は勿論、顕微鏡のような形の上から撮影してリングの内周(内径)をデジタルで測定できる機械を使っているそうです。
私自身も学校でも教わらなかったし、ジュエリーの会社にデザイナーとして勤めている時も聞いた事がなかったのでかなり衝撃的でした。
(こんなに一番大切な事、なぜ学校で教えてくれなかったんだ…そしてこれを知らない職人さんもいてさらにビックリ…)
ロットブレは大体0.2~0.5号程度が多いようですが、当店ではブランド立ち上げ当初から使っていた芯金棒をマスターとしています。
マスターリングも作っているので、当店で購入していただいた場合『1回目と2回目で同じサイズを買ったのにサイズが違う!』という事にはなりません。
ただ、別のお店で買った10号と当店で買った10号が少し違う、という事はあるかもしれません。
かなり細かい話になってしまうので、0.2~0.5号だとむくみによっては分からない場合が多いです。
気にしない方には大した問題ではないのかもしれませんが、当店では0.5号刻みの細かいサイズ展開が売りでもあるので出来るだけお客様の小さな疑問にも納得のいく細かい説明をしたいなと思って書きました。
もしどうしてもこの細かいサイズがどの位さがあるのか気になる…という方は500円にて3本までならサンプルリングをお作りしてお送り出来るのでお問い合わせ下さい。
(サンプリングはサイズが分かる様なプレーンの輪っかのリングです。ツイストリングのサンプルもあります→☆)
サイズがきちんと分かるとリングを選ぶのも楽しくなりますよね♪
自分のサイズを良く知って、アクセサリーを楽しんでいただけたらと思います。(*^_^*)