今日は、私がいつも原型に付けている名前の由来をお話ししたいと思います。
私はいつも、オリジナルの原型をデザインし制作する時に商品に名前を付けています。
それは一つ一つに込めた想いを表現できるのと同時に、自分の子供のような商品への愛着の表れでもあります。
クロウディアは、私が会社を辞めてから一番初めにデザインしたものでした。
このデザインのイメージは、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の中に出てくる吸血鬼の少女クロウディアです。
どんなお話かをざっと説明すると、
18世紀に生まれた主人公ルイはレスタトという美しいヴァンパイアに仲間にされてしまいます。
残酷で人の命を奪うことを何とも思わないレスタトに比べ、優しく人の心を捨てきれないルイは血を吸い殺人を犯す事に罪悪感を持ち葛藤します。
そんな時にペストによって両親を亡くした10歳の少女クロウディアと出会います。
泣きすがるクロウディアを優しく抱きしめたルイでしたが、喉の渇きに耐えきれずその首に嚙みついてしまいます。次第にぐったりと力尽きるクロウディア。
その時レスタトが表れルイは我に返り絶望。どうしても少女を助けたかったルイは、ヴァンパイアとして新しい命を与えクロウディアを生かしました。
しばらく3人は平穏に暮らしますが、子供特有の貪欲さと無邪気さで血を吸うクロウディアにルイは心配し始めます。
そして30年後、ついに恐れていたことが起きます。
『ねぇ、ルイ。どうして私は成長しないの?』いつまでも若く年を取らないヴァンパイアは、人としての命を奪われた瞬間から時が止まってしまいます。
30年と言う月日の中で、中身は知性と教養のある女性になりながらも外見は10歳のままなのです。
高い身長や大きな胸、大人の女性の容姿に憧れと執着を覚えたクロウディアは、自分をこんな風にしたレスタトへ怒りの矛先を向けます。
そしてその憎しみと怒りの爆発はルイを巻き込んだ壮絶な物語の始まりでした。
小説も好きですが、ぜひ皆様に映画を見ていただきたいです。
レスタト役にはトム・クルーズが、ルイにはブラットピット、クロウディアはキルスティン・ダンスト(スパイダーマンでのキスシーンはとっても素敵でした♡)という超豪華キャスト!
その他にも、アントニオ・バンデランスやクリスチャン・スレーターなど豪華な面々で映画化しています。
私が初めて見たのは小学校5年生位の金曜ロードショーでした。見た瞬間から今まで、ダントツで1番好きな映画です。
内容的にちょっと難しい感情というか、暗いんですけど(笑)
当時のきらびやかな衣装や装飾品も見ていて楽しいと思います。
映画のお話になってしまいましたが話を戻すと、紺色のエポキシ樹脂の部分は闇でしか生きられない夜の色を表現し、周りにあしらった小さなパールはクロウディアの金色に輝く巻き毛をイメージしています。
裏の放射線状の模様は、彼女が太陽の光を浴びてしまうラストシーン(ネタバレごめんなさ💦)を表現しました。
大人に似合うデザインで、小さいけれど華やかな印象をもつように。
私の中のクロウディアのイメージを詰め込みました。
独立(そんな言葉を使うにはおこがましいけれど)したら、一番初めに自分の好きな物語をテーマにした物を作りたいと思っていたので、形にできて良かったです。
アクセサリーだけでも楽しめますが、こんな風に私が作った物に対して持っている物語やインスピレーションを知っていただけたら、また違った見方で楽しめるかもしれません。
物語を纏う様にアクセサリーを着けていただけたら、何てことない日常も、映画の主人公の様にロマンティックになれる気がします。