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ハンドメイドと言われることについての考え方。

今回のお話は人によっては不快感を与えてしまうかもしれません。特に同業の方やハンドメイドが好きな方には。もし嫌な気持ちにさせてしまったらごめんなさい。

でもここは私のお城。私のHP。だからちょっと考えましたが好きな事を書かせていただこうと思いました。(^_^;)

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BaroqueBrightとして活動を始めた2016年1月。一番初めに出展したのは、ミンネとパルコのミエルツアーでした。

PARCOで出展だなんて夢のまた夢だと思っていたので、選考に通った時は物凄く興奮したし喜んだのをよく覚えています。

3月には雑誌Hanakoへの掲載のお話をいただき、新宿ルミネのCreemaStoreや東京ビックサイトでのハンドメイドのイベント、吉祥寺アトレ、博多アミュエスト、横浜ベイクォーター、イクスピアリ、渋谷文化村、丸の内ビル、有楽町マルイ…

1年ちょっとで、とても沢山の場所に出展させていただきました。憧れだった場所ばかり。ネットショップでのお客様も徐々に増え、忙しいけれどとても充実した日を過ごすようになりました。

『歩いてはいけない、常に走らなければ。』これは私が好きな事を仕事にすると決めた時に強く思った事です。

立ち止まる事はおろか、歩いてもいけないと。勢いのある時にどんどん進まなければ。目の前に現れたチャンスを選ぶことなく全て手にしなければ。

マラソンと同じで、苦しくても絶対に歩いてはいけない。何故なら一度歩くと走り出すタイミングもつかめなくなるし、また走り出すのが辛くなってしまうから。

サラリーマンではなく人と違う事をするのだから、人と同じやり方や速度ではダメなんだ。やり方は模索中で分からない。だから私は速度と量で勝負するしかないと思っていました。

だから寝るのも嫌だったし、無理な日程で突然いただいた仕事も断らずに全て引き受けたりしていました。独りで作り、値札を付け、写真を撮り、ネットにUPし、お客様とメールのやり取りをし、梱包、発送する。

全てを一人でやる事がこんなに大変だとは。正直、想像以上でした。

そして駆け抜けた1年3か月。

皆からしたら短いと思われるでしょうが、私にとっては濃厚で長い時間でした。

だから今見えてきた事も、自分にしか分からない、でもしっかりとした答えなのだと思います。

***

ハンドメイド作家と聞いて、皆さんはどんな印象をうけるでしょう?

『趣味が高じて副業になった人』『個人の職人さん』多分、前者の方が強い印象だと思います。“子育て中のお母さん、ハンドメイドで稼ぎませんか?”という広告をよく見るように。

夕方のニュースでミンネが話題に上がった時も、お子さんを育てながら、お昼寝の2時間を使って作品作り、スマホでラクラク登録!みたいな紹介のされ方でした。最近は様々なハンドメイドサイトがあるので、各サイトの趣向にもよるのでしょうが。

その番組を見て、私は『あぁ、これだ』と思いました。私の感じていた違和感。自分と他の人との温度差。

私の作る物は趣味の延長ではありません。ジュエリーの専門学校で学び、その職種を専門として就職し、独立、今に至ります。

だから、貴和製作所のパーツを繋ぎ合わせて作った物や布で作ったものをジュエリーと呼ぶことは私の中の何かが許さないのです。

それはジュエリーではなくアクセサリーだ。と、強く思ってしまい、そういった作品を正直ジュエリーとして受け止められませんでした。

ジュエリーとアクセサリーの違いって何?って方は、以前書いたブログのこちらをご覧ください。https://baroque-bright.com/jewelry-accessory-difference/

だから、本物の職人さんを愚弄しているような気持になてしまうというか、“ジュエリー”という言葉自体に、多分私のような種類の人間は固執してしまうのです。

『呼び方なんて、どっちでも良くない?』と、私を神経質なように感じられる方がほとんどだと思いますが、実際、専門学校でジュエリーについて学んできた人はこう思う方が多いです。

誤解してほしくないのですが、決して前者の趣味の範囲の方々を否定している訳でもディスっているわけでもありません。

ただ、こういったハンドメイドサイトは、そもそも趣味で作った物も含め売る方も買う方もみんなで楽しむことが目的の一部で、利益は二の次でもあるのではないのでしょうか?

その中に、本格的に個人で独立しているタイプの方も含まれている。

だから、何をどう呼ぶことが正しいとか、そういうこだわりはナンセンスだと思われてしまうのかなと感じました。

12月に催事でお会いしたジュエリー作家のmumさんに言われた言葉も、私の中でずっと残っていました。

『素材や技法に囚われてしまうのは、もしかしたらつまらないのかもしれないなと思ったよ。』

その話をmumさんとした時は何だか答えが見えず納得もいまいち出来なくて悶々としていましたが、沢山考えて悩んで、『自分の信じる物がある事は良い事。でも、それを押し付けてはいけないんだ…!』という考えにたどり着きました。

***

もうひとつ、委託販売をするようになって分かった色々な実状。私が見た事が全てではないですが、私は自分の直感を信じるタイプなので。

世に言うハンドメイド作家として売れるためには、高いデザイン性、コストパフォーマンス、量産性が必要です。

そう、量産性も実はかなり必要なのです。何故なら提供する価格が安いから。

安いと言っても、海外で量産された物の様に安いという訳ではありません。その商品に対してかかる手間や時間に対して、提供する価格がそれほど高くはない、という意味です。

安く提供するためには沢山数を作らなくてはなりません。複数の委託販売に加え通常のネットショップを運営するためには、それなりの数が必要です。

フォロワーが3000ちょっとの私が数で悩んでいたという事は、それ以上のフォロワー(顧客様)がいてさらに委託販売もしている人は月にいくつ数を出せばいいのか?

委託販売は全て台紙や値札のタグをつけなければなりません。アクセサリーなどの小さな物の台紙付けは地味に時間と労力がかかります。会社によって指定のタグがあるところもあるし、それに加え納品書や発送、ディスプレイ。

有楽町のマルイで売れる方は2週間で大体250~300個位数が出るそうです。他の委託先への数やネットの事を考えると倍は数が出るはず…

そう。独りでは出来ない。無理なのです。

価格もそれほど高くない。妥当な金額です。(私は商品を見れば大体原価やかかる手間、技術が分かるので)でも、委託の場合そこから半分引かれる所がほとんどです。店頭での万引きや破損も作家の自己負担。

その半分の金額で材料費と多分雇っているであろう他の人の時給と台紙等の金額を引いたら、やっぱり薄利多売にするしかない。数を出すしかない。

だから売れているハンドメイドの作家さんはとても大変だと思います。

なるべく安く、良い物を、個人事業の範囲内で提供したいと心がけているのですから。

少し考えればわかる事なのに、私は実際に他の作家さんに話を聞いたり目の当たりにして体験しないと分かりませんでした。

このやり方だと確かに事業として大きくなるかもしれない。利益も出るかもしれない。

でも。こうゆうやり方が自分には合わないと思ったから独立したんじゃなかったっけ?

デザイナー時代、入社して大量に生産されビニールの袋に慌ただしく詰められていく商品を何だか切ない気持ちで見ていました。

もっと、自分の作ったものに愛情と喜びを持って送り出してあげたい。そして、そんな気持ちをお客様にも感じてほしい。そう思っていました。

きっと私には、そうゆうモノ作りの仕方や売り方が合っているんだと。

そう、一番初めのブログに書いてあります。

でも一周して、また会社と同じシステムにたどり着こうとしている。

でもそれがきっと経営という事なんだとも思う。制作活動を続けるためには実際問題お金も必要だし、それがなくては続けられない。

でも、そうすると売れれば売れるほど自分の手を離れていく気がする。“ひとりの手から丁寧に”という理念は売れれば売れるほど、委託先も増えれば増えるほど、遠のいていく。

これだけの数を作る時、私は全ての商品に愛情と情熱を持って制作できるのだろうか?

…自信がない。

私が1日に作れる指輪の量はMAX20個かもしれない。でも、気持ちを込めて作れる量は一体どのくらいなんだろう?

昨年初めて迎えたクリスマスシーズンは、とても沢山の方からご注文をいただき本当に嬉しかったです。しかし同時に、制作は正直心を込める余裕がなくひたすら数を作る繰り返しの作業でした。

他の人はどうか知らない。全部に愛情を注げる人もいるでしょう。でも私は違う。だから悩むのです。

確かに、私のアクセサリーは私のこの手で作っている。手で作っているからハンドメイドで間違いはない。間違いはないんだけど…。

“ハンドメイド”そう呼ばれる事に違和感を持ったというか、皆の持つイメージのそのくくりは私の目指すところなのだろうかと考えるようになったのです。

一体どうしたらいいのか。私はここへ来て、立ち止まってしまいました。

***

つづきはまた明日。

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ドキドキするという事。

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