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2月・アメジストの女・エミ

※この小説はフィクションです。お酒にも人生にも悪酔いしてしまう酔っぱらいのエミちゃんのお話。

色付き文字部分をタップするとその回のお話に飛べます。

***

ヨウコちゃんはいつだってキリッとしていて、天海祐希とか菜々緒みたいだ。

それに引き換え私は、身長も顔面偏差値も中小企業のOLという肩書も全てが『ちょうどいい普通の女』だった。

昭和の時代から私のような普通の女達が胸をときめかせながら見る月9のドラマは今期、菜々緒と神白石萌音が出ている。

9等身、強くしなやかで美しい菜々緒の横に、ハムスターや小リスの様にちょろちょろする神白石萌音。

決して目を引くような美人ではない、でも何だか感情移入できそうなタイプの女優。

あぁ。

それなのに、ドラマの中で何故か神白石萌音はイケメンにばかりモテる、モテる、モテる。

笑っちゃうくらいモテる。仕事のシーン?そんなものはビックリする程現実味がなくてもはや頭に入ってこない。

それでもみんなが夢中になるのは、こんな普通っぽい子にタイプの違う子犬系やらドS系ツンデレイケメンやらが寄ってきて、

揺れ動く乙女心、どっちも良くて選べない!キャーーー♡という妄想が楽しい女子だからである。

いいなぁ。いいなぁ。

とびきりの美人ではなくどこか親近感のある容姿の女優さんを使っているから視聴者は感情移入しやすいと思った??

残念。だって、現実は、こうじゃない。

そこそこの幸せなんて、そもそもそこそこで良いと思っている人間の元になんか来ない。

***

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どの飲み会でも、合コンでも、サークルでも、私はそこそこモテた。

だって、丁度良かったから。特別美人でもないけどブスってほどでもない。

頭も別に良くはないけど、あまり物事を深く考えないのが私の良い所でもあるってヨウコちゃんも言ってたし。

色々とそこそこなんだけど、私はいつだって特別にはなれない。

今日もそこそこな私は酔っ払った勢いで、そこまで好きでもない、けど今この瞬間は好きっぽい男の子の家に行き朝を迎える。

何事もなかったかのようにニコニコしておはようを言い、特に自分たちの関係を問い詰める事もせず、丁度いい感じで良い雰囲気であやふやに帰る。

そんな私をヨウコちゃんは羨ましいと言うけれど、私は酔っ払ってだらしない自分よりもヨウコちゃんのような女の子の方が男の人に大切にされるし最終的に幸せになれるという事を知っている。

あやふやに帰宅した後きちんと付き合ってほしいと言われたことは一度もないし、多分気になる女の子から都合の良い女に降格しているのだろう。

本当に彼女にしたい女の子なら、出会ってすぐに家に来る?なんて、ホテル行く?なんて、そんな言葉は、絶対に言わない。

そんな事を言われたらもはやそれは『絶対に真剣なお付き合いをあなたとはしません。』と言われているようなものだ。

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分かってる。分かっているのに、私がヨウコちゃんの様にきちんとできないのは、自分に秀でた才能や容姿がない至って普通の女だからだ。

不安なのだ。

女子高生や女子大生と言うブランドが無くなってしまってからは、自分にどれだけの価値があるのだろうかと怯えている。

キラキラのブランドネームがなくなった今、残ったのは女であるという事だけの様な気がした。

ヨウコちゃんのように将来の明確な目標やそれに伴うセンスがあるしっかりした人間には、私の気持ちなんて理解できないと思う。

『そこそこで良いという奴の元に人並みの幸せなんて来ないよ。そもそもね、大抵の人間は頑張って頑張って丁度人並みなの。』

しっかりとした口調で赤ワインを飲みながらヨウコちゃんが言う。

『人並みで良いとか言ってる人間は、その時点で人並みを馬鹿にしている。そんな奴が平均的な幸せを簡単につかみ取れると思うなよ?』

はーい、分かってますよぅだ。ちぇっ。ヨウコちゃんはいつも正論で私を打ちのめしてくる。

でも、酔っ払ってふわふわヘラヘラしている時は何もかもどうでも良くなって真剣に考える事を止められる。

この先の人生の不安(結婚できる?そもそもちゃんとした彼氏できる?貯金は大丈夫?てか何歳まで働けって言うんだチクショウ)とかそんな暗い気持ちになる悩みが吹っ飛ぶ。

その場だけの言葉でも可愛いねって言われてちやほやされて、色んな不安を忘れ去り心地よくなりたい。

真面目に常識的に社会人として恥ずかしくない行いを。

そんなのマジで、プレッシャー過ぎる。

何もちゃんと考えられない、そういう状態になってもまぁ良いですよ、許されますよ、という時って世の中で酔っ払っている時だけな気がする。

もしもヨウコちゃんのようにお酒が強かったら、私はこんな風にはならなかったのかな?

『酔っ払っちゃったから』なんていう、何でも許されるかのような言い訳が使えるから、私はいつも傷付かずにいられる気がする。

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あぁ、特徴のない私はいつか似たようなその他大勢の女の子の記憶として彼らの中に埋もれていく。

私も彼らを忘れていく。きっと名前はおろか顔すら忘れてしまう気がする。

だからいいんだ。

どこのだれかも良く知らない、アプリで出会っただけの女。

アプリで結婚する人、最近多いんだってね。

でも私は、複数人同時進行でデートという審査されて、最終選考に残れない女。

それでもいいもん、別に、いいんだもん。

私だって今この瞬間が寂しくて暇だから誰かといたいだけ。

寂しさを利用しているのは男だけだと思った?私が丁度いい女だと思った?

違うよ。あなたたち男性も、私にとって『ちょうど良い男』なの。

きちんとした人付き合い?大人としての常識?ヤダヤダ。責任なんてとりたくないよ。

だから。

今日も、『酔っ払っちゃった』ので『その間の事は全てチャラですよね?』という免罪符のような魔法の言葉と共にフラフラと歩きだす。

パワーストーンの意味を信じてアメジストのネックレスなんか付けていたって、結局私はお酒にも人生にも悪酔いしているような気がした。

***

おしまい

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酔わないヨウコちゃんのお話はこちら→https://baroque-bright.com/february-amethyst-girl-yoko-2021/

さて、二人の対照的なお酒のお話。

アメジストという女官がお酒の神様バッカスの悪酔いのせいでなんやかんやあって美しい紫色の宝石になったというギリシャ神話からインスパイアされました。

そのなんやかんやはこちら→https://baroque-bright.com/grain/february-amethyst-2021/

ヨウコちゃんとエミちゃんの様に対照的な人同士が仲良しな事はよくある事で。

こちらのエミちゃんは私の友人によく似ています。

彼女が一体何を考えて行動しているのか私はさっぱり分かりません。

ですが月9のドラマで【彼氏持ちの女性が彼氏ではないイケメンと終電を逃し、仕方ないので一緒に泊まる?と誘う】シーンでイケメンが断る際に言った、

『もしお前が俺の彼女だったら、俺はお前が他の男と泊まるの嫌だ』というセリフを聞いて『こんな事言われた事ない…』と涙を流し4回も録画を見直していた彼女は、もしかしたらこんな感じなのかなと思いました。

彼女には是非、いつか記憶に埋もれてしまう誰かに甘えて逃げるのではなく一生離れる事なく一緒にい続ける自分自身と共に孤独と戦ってほしいと思っています。

いつだって、自分に最大級に寄り添い戦うのは自分自身なのです。

パートナーはそれをたまに援護してくれる存在であって、孤独に打ち勝つためのスペシャルアイテムではありません。

どんなに素晴らしいパートナーがいてもしっかりと自分の足で立たなくては既に戦いに負けています。

もちろん、今の時代は『戦わずに逃げる事も勇気』という考え方が定着しつつあります。

勿論その考え方には私も賛成です。

でもそれは、『逃げるという戦い方を選んだ』人に与えられる称賛であって、単純に嫌な事から目を背け自分を誤魔化し流されることではありません。

だから、良いですか?

戦え!!!己の力で!!!

***

2月のテーマだというのにあっという間にもう3月。

段々と温かくなりようやくコロナもワクチンなど終息の兆しが見えてきたように思います。

早くみんなでお出かけできる日が来ると良いですね。

皆様も素敵な3月を☆

2月・アメジストの女・ヨウコ

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