「わたしをすきなひとが、わたしに関係のないところで、わたしのことをすきなまんまで、わたし以外のだれかにしあわせにしてもらえたらいいのに。わたしのことをすきなまんまで。」
私の一番好きな詩の冒頭です。
最果タヒさんの夢やうつつという詩。更にこう続きます。
土曜日はしんだふりの練習をして、花畑を何重にもつみかさねた実験場で、ゆっくりとしずんでいきたい。
うすぐらがりのなかでみる花束が想像以上にきれいでなくて、美人のともだちのかおが、暗闇ではほとんど美しくなくて、けっきょくきれいだったのは光だけだったんだと思った。
言い残したこともないのに、深海ではいきものがくちをぱくぱくとさせて、泣いているね。わたしはきみたちのきもちを知っているよ。
遅くでいいから、愛してほしかった。
わたしがしんでも、わたしが目の前に永遠にあらわれなくても、愛してほしかった。
どこかでラッパの音がする。きみのほほに風がたどりつく。
そのとき、どこにもいない、知らないわたしのことを、ぎゅっとだきしめたくなるような、そんな心地に一生なって。
愛はいらない、さみしくないよ。
ただきみに、
わたしのせいでまっくろな孤独とさみしさを与えたい。
皆さんに暗いねと言われそうですが、好きなんです。
何とも言えない、もやもやした気持ちを、美しく、意味深に、解る人にしか気付かれない様な暗号となって表しているようで。
でも女性なら、この詩の気持ちが少しだけ解る様な気がするって人、多いと思います。
この詩を読むと、私の心の中にはこんなイメージが出てくるのです。イメージを伝えたくてちょっと絵を描いてみました。
花弁が舞う中、深海にゆっくり沈んでいくような。でも苦しくなくて穏やかな気持ちで凄くぼんやりしている。
キラキラ光る水面を仰向けに眺めている人魚姫の様な、そんな気持ち。
何だかちょっと切ない感じなんです。結構怖いこと言っているのに(笑)
今日はそんな感じで・・・☆